TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

私の「記憶と学習」再考!

 忘れをれば ひょとした事が 思い出の種にまたなる 忘れかねつも (啄木)

認知症というのは忘れられない病なんだよ」。仕事でお世話になった神経内科のMI先生がかつて言われたのが印象に残る。認知症はまず物忘れがひどくなることから周りの者が気がついたりする。そこで、「物忘れ外来」の受診を勧められたりする。ところが不思議なもので覚えていなくともよいこと、忘れてしまいたいことは忘れられないのである。認知症の困るところは必要なことは忘れてしまい、忘れてもいいことは忘れられない病なのかもしれない。
 それにしても覚えている(記憶)とは何であろうか? 記憶を司っているのは脳の海馬という部位だと聞いたこともある。そのメカニズムは専門書に譲るとして齢70を越え過ぎ越し日々の記憶を掘り起こす作業がこのブログ執筆の目的でもある。
 今から52年前の昭和41年(1966)年に大学生になった私はロシア語を学んだ。ロシア語は学習するにはハードルの高い言語だ。名詞も形容詞も動詞も格変化をする。それらを覚えないと正しいロシア語の表現はできない。かくして非力な私はロシア語を習得できないまま辛うじて卒業はした。そしてロシア語とは無関係の医学系出版社の社員として40数年のあいだ口を糊して退職して現在に至った。
 ここで本日のテーマの記憶と学習。70歳の脳は新たな学習能力があるのか? 昔覚えたロシア語を覚えているか? これらを自ら実証すべく私は、昨年(2017)年9月からロシア語学習を始めた。テキストは城田俊著『現代ロシア語文法』『現代ロシア語文法 中・上級編』の2冊である。10か月くらいを要して第1回目を終了。今は二回目に入っている。その結果、学習の効果はかなりある。また50年前に学習したことも脳のどこかに一部は残っていることが明らかになった。