TomyDaddyのブログ

毎日の健康管理の記録、新聞、雑誌、書籍等の読書について感想を書いていく。

 脳死臓器提供ゼロ 大学病院4割 ー移植法施行から26年で ~興味深い記事を読む「移植医療って?!」

 日本では脳死移植よりも生体移植の方が多いのだと思う。後でデータを調べてみたい。最近の新聞の連載記事「患者を生きるかな?」でも、アルコール性の肝障害の男性が妹の肝臓の一部をもらい生体肝移植を受けて元気になったという事例が載っていた。作家の佐藤優さんは妻から腎臓の提供を受けて生体腎移植を受けて透析が不要になったと聞いた。「生体移植」は、それはそれで侵襲の大きな大手術であろうと思う。さらに、家族から臓器を提供してまで生き延びるかという選択はドナー、レシピエント両方に大きな決断を促すものだと思う。
 そこで、記事にみる「脳死移植」となるとこれも大変なことである。今年は脳死移植法の施行から26年になるのだという。脳死下の臓器移植が可能になったのは、1997年10月16日に「臓器移植法」が施行されてからだ。この日に至るまでに、数十年の議論を経ていた。この間の動きについて、当時、従事していた医学界新聞で何回も特集記事を掲載したりした。
(1)「臓器移植法」(1997年10月16日)
 本人の書面による意思表示と家族の承諾が必要。かつ民法上の遺言可能年齢に準じて15歳以上を有効とする。
(2)2008年に国際移植学会によるイスタンブール宣言により、国内での臓器移植推進が求められる中で、2010年7月17日、「改正臓器移植法」が全面施行され、本人の意志が不明の場合でも、家族の承諾があれば脳死下の臓器提供ができるようになった。このことで、15歳未満で会っても、脳死かの臓器提供が可能となった。

 以上の基礎知識のもとで、標記の記事を引用しながらまとめておきたい。

<国内にある144の大学付属病院のうち4割の施設が、臓器移植法の施行から26年になる昨年9月末時点で、脳死の人からの臓器提供が1例もなかったことが、厚生労働省の資料でわかった。>

 法律では、臓器提供を望む人の意思は「尊重されねばならない」と定めているが、施設によってその意思が生かされにくい状況が続いているんだという。どういうことなのだろうか?運転免許証の裏面には、「臓器提供の意思」を表明できる仕組みが載っている。私の場合gは長いあいだC型肝炎ウイルを持っていたので臓器提供を表示できる状況にはなかった。

 <臓器移植法の運用指針では、臓器提供できる施設は大学付属病院のほか、救急や脳神経の専門的な診療が担える病院に限り、対象は2023年3月末時点で895施設。>

 <

厚労省は昨秋(2023年)秋に、144の大学付属病院について、法律が施行された1997年以降の各施設の提供数をまとめた。昨年9月までに401例あり、次のようだ。
 (1)岡山大学病院 27例
(2)東京医科大学八王子医療センター 21例
(3)藤田医科大学病院 19例
(4)北海道大学病院 18例

 上位5施設だけで100例あり、全体の4分の1を占める。ゼロは59施設(41%)で、東京女子医科大学病院や山口大学病院といった大規模病院も少なくなかった。>

 上の記事を読んで、腎臓移植の草分け的存在と思っていた東京女子医大病院で、脳死臓器提供が1例もないとは驚いた。つぎのような状況なんだという。

 <岡山大学病院の中尾篤典・高度救命救急センター長によると、脳死と見られる患者の家族には、臓器提供に対する患者の意思や家族の希望を必ず聞き、最終的には半数以上が臓器提供を選んでいるという。
 多くの医療現場では、死を前提とした臓器提供という選択肢を家族に示すことに、医療者がためらいを感じている。家族から希望しない限り、臓器提供について語られないことがほとんどだ。>

 <救急現場に搬送されて脳死になる人は基本的には直前まで元気で、家族は「助からない」という」事実を受け入れるのが難しい。「だから時間をかけて待ちます」と中尾医師の言葉。医師が家族に説明したあとに、看護師がフォローしたり、家族の置かれた状況や希望について多職種で共有すいたりしているという。>

 臓器提供の多い施設は、家族へのケアを含めたみとりにも注力している共通点があるんだという。一方で、医療現場は難題も抱えている。

 <臓器提供までには外部機関とのやり取りが生じ、2回の法的脳死判定には2~3日かかる。患者はその間、救急救命センターや集中治療室(ICU)のベッドで診ることになる。だが、救急救命センターやICUは、もともと受け入れ能力がギリギリの状況だ。>

 <国内の臓器提供の体制つくりに長く携わってきた救急医の横田裕行さん(日本体育大学教授)は、「ベッド調整の難しさは、表にはdふぇにくいが、背景として大きな部を占めているだろう」と指摘する。>

<コメント>
 この記事は、朝日新聞朝刊(2024年3月25日付)に載った、阿部彰芳さんの署名記事だ。詳しく簡明に纏めれれている。脳死からの臓器移植が進んでいない実態を知った。「移植医療」そのものが判断は難しい。肝炎ウイルスの駆除には成功したが,77歳となった私の身体は私自身の乗り物として大事に使ったほうがいいだろう。日本医大救急救命センター長(教授)だった、横田裕行さんが、日本体育大学に勤務しているの知った。