TomyDaddyのブログ

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私の「医人」たちの肖像―(75)延吉正清さんとインタビュー「PTCA-最近の進歩」~1989年8月5日(土)

(75)延吉正清さんとインタビュー「PTCA―最近の進歩」~1989年8月5日(土)

 

 1989年8月5日(土)、小倉記念病院(当時)の延吉正清先生にインタビューをした。午後13時から16時頃までだった。これは医学書院の医学書籍部のKYさんの紹介で実現した企画だった。
■延吉正清先生インタビュー「PTCA―最近の進歩」■
1989年8月5日(土):
 延吉正清さんは経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty)の先駆者である。今では虚血性心疾患の治療法として定着したPTCAであるが当時は最先端の治療であった。
 PTCAは狭くなった冠動脈を血管の内側から拡げるために行う低侵襲的な治療法である。経皮的冠動脈インターベーション(PCI)とも呼ばれている。下肢の大腿動脈または上肢の橈骨動脈や上腕動脈から「カテーテル」という細い管を挿入し、大動脈を通過して冠動脈の狭窄部まで進めて治療を行う。
 インタビュー会場は、東京・大手町のパレスホテルの会議室であった。延吉さんが学会で上京した折に寸暇を割いていただいた。メモによるとインタビューの直後16時50分発JAL371便で福岡へ帰られた。聞き足りなかったので、羽田空港へお送りするハイヤーに同乗してお話しいただいた。「PTCA―最近の進歩」のタイトルで医学界新聞・第1863号(1989)に取材記録を掲載した。
■五万人の心臓を治した延吉正清さん■
 延吉さんは、1940(昭和15)年6月11日生まれ。前小倉記念病院長、京都大学医学部循環器内科臨床教授、日本心臓血管インターベンション学会名誉理事長、等を歴任された。「延吉正清―すべては患者のために―五万人の心臓を直した男」という本が、三輪書店から出ている(橋本美佐子著)。内容紹介には次のように書かれていた。「1981年10月、最初の心臓カテーテル治療(PTCA)。2010年7月には5万例を超えた。もし、延吉がいなければ日本のPTCAは10年遅れていたであろう。」
 私が延吉さんにお話をうかがった1989年から既に30年が経過した。いまではPTCAは冠動脈疾患のルーチン治療になっているようだ。延吉さんを初めとした先駆者の弛まぬ貢献に感謝するのみである。
(2019.4.21)

(私の「医人」たちの肖像―〔75〕延吉正清さんとインタビュー「PTCA―最近の進歩」~1989年8月5日)