TomyDaddyのブログ

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私の「医人」たちの肖像―(74)井上昌二郎さんと「ソ連の研究所見聞記」 ~1989年8月15日(火)

(74)井上昌二郎さんと「ソ連の研究所見聞記」~1989年8月15日(火)

 

   1989年8月15日(火)。午前中、東京医科歯科大学難治疾患研究所(御茶の水)に井上昌二郎先生を訪問した。井上さんは睡眠研究の第一人者であり、その頃ソ連で行われた学会印象記の執筆を依頼した。
ソ連の研究所見聞記■
●1989年8月15日(火):
 ソ連の研究所見聞記」という寄稿を、医学界新聞・第1862号(1989年)にいただいた。その頃、ソ連(ロシア)の医学研究の紹介は少なかったので関心をもって何回か取材に訪れた。井上さんは気さくな基礎医学者という風貌であった。10年後くらい後に、私が医学雑誌部に移籍して、雑誌「神経研究の進歩」の睡眠に関する特集で、別途、原稿依頼をしたこともある。
■睡眠研究先駆者の井上さん■
 井上さんは、1935年ソール生まれ。東京医科歯科大学名誉教授で、ご健在だ。1965年に東京大学大学院生物系研究科博士課程修了、米国に短期留学、アレクサンダー・フォン・フンボルト奨学生としてドイツに長期留学との経歴だ。1972年に東京医科歯科大学教授に就任している。
■ヒトはなぜ眠るのか?■
 『ヒトはなぜ眠るのか』という一般向けの啓蒙書(講談社学術文庫)を書いている。私の書棚にもあるはずだ。進化の過程で大きく変化したヒトの睡眠。肥大した脳は、ノンレム睡眠を要求する。睡眠はなぜ快いのか?大脳と睡眠、身体と睡眠の関係、睡眠にまつわる病気、睡眠を司るホルモン、体内時計などについても触れられている。
 睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠という異なる二つの睡眠状態に分けられる。この二つの睡眠が一晩に交互に繰り返される。レム睡眠は眠っている間に眼球がピクピクと急速に動く睡眠のことで、眠りが浅く夢の多くはこのレム睡眠中に見る。一方、ノンレム睡眠は眼球運動が見られない深い眠りのことだという。高齢になった私は夜間にトイレによく起きるので、眠りが浅く何やら夢もよく見る。レム睡眠が多くてノンレム睡眠状態が不足しているのかもしれない。
■睡眠研究を推進する柳沢正史さん■
●2019年4月4日(木):

 時は30年後、先日(2019年4月4日)、東京(安田講堂)で開催された「Nature 150周年講演会」で、睡眠研究を精力的に推進している柳沢正史さん(筑波大学国際総合睡眠医科学研究機構長・教授)の講演をお聞きした。睡眠のメカニズムがさらに解明され、かつ安らかな眠りを得られることを期待したい。
(2019.4.22)

(私の「医人」たちの肖像―〔74〕井上昌二郎さんと「ソ連の研究所見聞記」~1989年8月15日)